蝶の今昔

ツマグロヒョウモンとウラナミシジ

画像は過日野山の散策をしたときの「ツマグロヒョウモン♀」と「ウラナミシジミ♀」が終わりかけたセイタカアワダチソウの花に蜜を求めてきている姿。ツマグロヒョウモンなど私の小さい頃には住居付近では滅多に見られない蝶であった。本来は自生するスミレを食草としているが、パンジービオラなどを家庭園芸で植える家庭が増えたため、県南の市街地でもごく頻繁に見られるようになった。黒い体に無数の棘上の突起を持ち赤い線が縦に入るため非常に毒々しく見える幼虫はこのツマグロヒョウモンの幼虫である。ウラナミシジミは住宅街ではほとんどその固体を見ることは出来ない。大豆やアズキといったマメ科の植物を食草とするが、周囲に農家やマメ科の植物が植えられていない限りは見る事が出来ない。
最近気になるのが、すいーっすいーっと滑空するような華麗な飛び方をする「ミスジショウ」。これも私の家の周りでは見る事が出来ない蝶だった。
逆に減ったのが「モンシロチョウ」と「キチョウ」。モンシロチョウはキャベツが大好物。が、キャベツを作る田畑の減少と共に個体数もずいぶん減った。また、キチョウが食草とするねむの木やニセアカシアが街路樹から徐々に姿を消すと共に、これまた減少してしまった。
人間のご都合主義で整備された空間についてこれなかった蝶。変化する空間に追従する蝶。哀れやらたくましいやら、蝶の今昔。